父の介護から芽生えた看護師への思い
父の介護から芽生えた看護師への思い
認知症看護認定看護師 岡山友佳 私が学生の時に父親が倒れ、父親を看病するうちに看護師という職業に憧れをもつようになりました。また、看護師である母親からも人生には何があるかわからないから資格のある職業に就いた方が良いと言われ看護師になりました。初めは救急病院で勤務し、重症の患者さまがよくなっていく姿に感動しながら過ごしていました。しかし、救急病院では、意識のない重症患者さまが多く、重症を脱した状態になると転院してしまうため、その後の経過を知ることはできませんでした。私はもっと患者さまと話をしながら看護がしたい、在宅に退院する患者さんの姿がみたいと思うようになりこの病院に就職しました。
混乱する患者さまを穏やかにしたい思いで認定看護師に
この病院に勤めた当初は、患者さまとどのように会話をしたらよいか戸惑うこともありましたが、患者さまを笑顔にするためにはどのような看護を提供すればよいかを考えるようになりました。ある年には、季節を感じられる看護を提供することを看護目標にあげ、寝たきりの患者さまをベッドで移送して一緒に桜を見に行きました。桜をみる患者さまの笑顔が素敵で、これも看護なんだと実感しました。看護をする中で、患者さまがせん妄症状や認知症の症状で混乱する場面を見ることがあり、なぜ、混乱してしまうんだろうと悩んだことがありました。入院患者さまの多くは、疼痛や呼吸困難などの身体的症状があると自ら訴えることができますが、認知症患者さまは正しく意思表示ができず症状とは異なる訴えや行動を起こすことがわかりました。私はその患者さまのサインを的確に読みとり、その人なりを尊重した看護を提供したいと思うようになり、上司の後押しもあって、認知症看護認定看護師になりました。
笑顔の大切さを知った
認知症看護認定看護師として働きはじめ、自分の力のなさを痛感することもありますが、今は、認知症看護にやりがいを感じています。認知症患者さまは私たちのことをよく見ています。忙しく働く看護師を察知すると認知症患者さまも落ち着きがなくなってしまいます。逆に私たちが笑顔で接すれば、笑顔で返してくれます。笑顔は看護師にも認知症患者さまにもよいパワーを与えてくれます。認知症患者さまが混乱なく穏やかに過ごせるように笑顔を大事にしてこれからも看護を行っていきたいと考えています。